1階が自動車車庫(大きな中継車の格納とその周辺に附属機器の整備ができる空間)、2階が事務所スペースとなっている2階建ての建物です。環境保全や社会貢献、「まち」との関わり方、木の力強さと温もりを生かした空間づくり、自社物件のため長期的な運用を見据えた計画など、多角的な面から考え設計された木造施設です。
昨今は「持続可能な開発目標(SDGs)」への対応、「環境や社会、企業統治を重視する(ESG投資)」の拡大などを背景に、環境や社会への貢献度が企業価値を左右する時代が訪れています。木材を有効活用して森林資源の循環利用を図ることは地球温暖化防止や国土保全、地域経済の活性化などに繋がるため、持続可能な木材利用を経営戦略に取り入れ自社の事業用建築物を木造で計画する企業も増えています。
森林への配慮、室内環境の快適さ、炭素固定、コスト面などの一般的なメリットはもちろんですが、地域でしごと(物流)をする企業として、地域の「しごと」の循環に寄与し活力ある地域の継続に貢献したいという施主の思いから、“木造”を選択されました。
<設計:伊藤倉庫一級建築士事務所 伊藤睦子 / 施工:阿部建設株式会社>
写真:ToLoLo studio